V2Hを札幌で設置する際の補助金とメリット・デメリットについて

V2Hとは?

クルマ(Vehicle)から(TO=2)家(Home)へを表す略称のことです。
そして、電気自動車に貯めた電気を自宅で使う。太陽光などで発電した電気を電気自動車に貯めることを可能にする装置をV2H機器(システム)と言います。

車⇔V2H機器⇔家(太陽光)といった感じの並びとなり、ちょうど中間に位置する装置となります。

そんなV2Hですが、札幌で設置を検討する際のポイントをまとめてみましたので、今回お伝えできればと思います。

札幌でV2Hを設置する際に適用される補助金制度

令和2年度の施策でいくと、申請者が札幌市民で、V2Hのみ購入の場合、本体価格(税抜)の3分の1を申請可能ということです(上限25万円まで)。
仮に、V2Hの本体価格が100万円の場合、3分の1で考えると、33.3万円となりますが、この場合でも25万円までしか申請できないということになります。
また、電気自動車(EV)を購入し、V2Hと同時に申請をした場合は、電気自動車の蓄電池容量(kWh)に補助単価6,000円/kWhを掛けた額を申請できます(上限45万円まで)。

例:日産リーフ62kWhを購入して、V2Hと同時申請したとすると、
①リーフで、62kWh×6,000円=372,000円
②本体価格(税抜)が60万円のV2Hを購入した場合、60万円÷3=200,000円
この例でいきますと、①+②=572,000円の補助金を申請可能です。

電気自動車と併せると、大きな金額となるので、もし現在電気自動車を利用していないのであれば、同時購入し、同時申請した方がお得かと思われます(ちなみに電気自動車のみ単独申請の場合は、補助単価が4,000円/kWhまで落ちます)。

ただし、予算には上限がありますので、詳しくは札幌市まで問い合わせてみてください。

札幌市環境局都市推進部環境エネルギー課
TEL:011-211-2872
ホームページ:http://www.city.sapporo.jp/kankyo/zidousya_kankyo/jisedai_hojo.html

札幌でV2Hを設置する際のメリットとデメリット


メリットとしては、

①V2Hを電気自動車と組み合わせることにより、長時間の蓄電効果が期待でき、停電時の安心が手に入る。

一般的な家庭用蓄電池容量としては、小さいと4kWh程から、大きくても16kWh程しかないため、停電時に電気を賄えるとは言っても限界があります。その点、電気自動車は少なくても30kWh、大きくなると60kWhもの蓄電容量がありますので、仮に停電が起こったとしても、平時と変わらず何事もなかったかのような生活が可能です。
北海道は2018年に胆振東部地震という大きな地震が起こったため、地震に対する危機意識が以前より格段に敏感となってきており、もう二度と同じ思いをしたくないという方が多くなってきています。
そういう観点から言えば、蓄電池よりも容量が大きく、より安心して使えるV2Hと電気自動車の組み合わせは大きなメリットと言えるかと思います。

②売電期間が切れた後、太陽光で発電した分を余すことなく蓄電できる。

FIT期間が満了し売電収入が激減したため、発電した電気を貯めて家庭で利用するのに、蓄電池やV2Hの導入を検討されている方も多いかと思います。
そういった場合、容量の小さな蓄電池では太陽光で発電した分全てを蓄電するのが難しかったりもします。
また、容量の大きな蓄電池を設置すれば済む問題ですが、費用がかなり高額となります。
場合によっては、容量の大きな蓄電池を設置するよりかは、中古のリーフ+V2H機器を導入した方が安いケースもあります。
電気自動車の容量で蓄電するとすれば、10kW以下の家庭用太陽光であれば、ほぼ全てを余すことなく蓄電できるかと思います。

③冬場、太陽光が発電を見込めない期間でも、夜間電力を蓄電することにより、日中の高い電気を買わなくても済む(オール電化住宅の場合に限る)

札幌では、最近は降雪が少なかったり雪解けが早かったりするものの、一般的に12~2月までの期間の発電はほぼ見込めません。よって太陽光を設置している場合であっても、冬場の電気代は高くなる傾向にありますが、冬場は夜間の安い電気を購入してV2Hを通して電気自動車に蓄電する。それを日中の電気代の高い時間に放電して使用する。これによって、日中の高い単価の電気を買わなくても済む。といった生活を送ることができるようになります。日中使用する全ての電気を蓄電で賄うことができれば、冬場日中かかっている電気代を3分の1程に抑えることも可能かもしれません。これは大きなメリットといえるのではないでしょうか。

デメリットとしては、

①V2H機器の設置場所の選定と確保

こちらのV2H機器ですが、基本的には電気自動車の近くに置いて使うものとなります。本体に雪が積もってしまっては利用できなくなるため、積雪が多い場所や、カーポート・ガレージのない住宅では設置場所が確保できずに設置できないというケースもあるかと思います。屋内置きもできる蓄電池に対して、V2Hの場合はここが最大のネックとなるため、設置場所に関しては専門業者に相談した上で検討することが必要かと思います。

②蓄電できる自動車が必要

既に電気自動車を利用している方は気にする必要はないですが、現在蓄電できる自動車を所有していない方は、対応した車を購入しなければ、V2H機器のみを購入しても意味がないという点は注意が必要です。そのため、蓄電池を購入した方が効果的かと思われがちですが、先程も述べたように、場合によっては中古のリーフとV2H機器を導入した方が安い場合もありますので、生活スタイルと利用電気量、現在設置している太陽光の発電容量などを加味した上で検討する必要があるかと思います。

おまけ、私が札幌でV2Hを設置した方がよいと思う方

①積雪対策された設置場所を確保できる方
②現在電気自動車を利用している、若しくは電気自動車の購入を考えている方
③車を2台所有しており、そのうち1台は日中自宅に置いてあることが多い方
④現在設置してある太陽光のパネル容量が5kW以上の方
⑤停電時に長期間の安心が欲しい方
⑥オール電化住宅にお住まいの方

尚、新車の日産リーフを安く購入する方法については
下記の記事で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。
新車の日産リーフを最大限安く購入する方法

以上、札幌でV2Hの設置を検討する際に、少しでも参考になれば幸いです。